2026年度春季大会 特別講演

「広視野・蛍光イメージング技術で可視化する植物の感覚」

講師紹介

豊田 正嗣 (とよた まさつぐ) 氏

埼玉大学理学部分子生物学科 教授

 幼い頃から物理学者に憧れて名古屋大学理学部物理学科へ。学生時代に人体にも未知の小宇宙があることを知り、生物に興味をもつ。研究室配属では生物と物理を融合させた分野「生物物理学」を選び、博士課程からは医学系研究科細胞情報医学専攻に進学した。2008年博士(医学)号取得。2016年埼玉大学に赴任するまで、ウィスコンシン大学マディソン校などで研究員を勤めた。現在、ERATO豊田植物感覚プロジェクト研究統括として生物の不思議解明に取り組んでいる。

講演概要

 植物には神経や脳は無いが、外界の情報を感知し、瞬時に信号を送ることができる。例えば、オジギソウやハエトリソウは触れられると葉を閉じ、虫にかじられた植物は揮発性(匂い)物質を放出して周囲の植物に危険を知らせる。近年、バイオセンサーや蛍光イメージング技術の発展により、植物の知られざる情報感知・伝達能力が見えてきた。本講演では、最新のイメージング技術で可視化された映像と共に、植物の感覚について紹介する。「植物がもつ感覚」を解き明かすことで、未来の農業や環境保護に役立つことが期待できる。植物と動物は別の生き物という考えが大きく変わるかもしれない。

開催概要

日  時:2026年3月18日(水)16:10 ~ 17:10
会  場:埼玉大学 全学講義棟1号館 3F 301(予定)
公開対象:大会参加者 (参加無料)