2026年度春季大会 基調講演

「体験者なき時代の歴史継承の姿を模索する」
-戦争体験を語り継ぐ-

講師紹介

戸高 一成 (とだか かずしげ) 氏

呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム) 館長

 多摩美術大学美術学部卒業。デザイン会社を設立するが5年後に財団法人史料調査会主任司書、1992年には同財団理事となる。1994年旧厚生省より戦没者追悼平和祈念館設立準備室の立ち上げ協力を依頼され、1999年には昭和館図書情報部長となる。2005年4月には、技術の進歩と平和の大切さを伝える呉市海事歴史科学館館長となり、年間100万人の来館者を迎える稀代の科学館に育て上げた。「証言録」海軍反省会(全11巻 菊池寛賞受賞)や「戦艦大和復元プロジェクト」など著書多数。

講演概要

 太平洋戦争が終わって80年を経た現在、戦争の悲惨さを体験として語り継げる証言者はほとんどいないと言ってよい。この現実を前にして、戦争を知らない世代である私たちは、次の世代に対して何が出来るのかを問われているという事に気付かなければならない。
 しかし、一面、歴史というものは当時者がいなくなってから初めて成立するという側面を持ってもいる。体験者なき時代における戦争と平和へのアプローチには、どのような形があるのか、多くの実体験者からのヒアリングと文献調査の経験を述べてみたい。

開催概要

日  時:2026年3月19日(木)13:30 ~ 14:30
会  場:埼玉大学 全学講義棟1号館
公開対象:大会参加者 (参加無料)