2026年度精密工学会春季大会学術講演会に参加をご予定頂き、心より御礼申し上げます。埼玉大学での大会は、1985年(小林 昭実行委員長)、2010年(水野 毅実行委員長)、に続き、今回で3回目となります。歴史ある学会の大会ホストとして、皆様をお迎えできますことは大変光栄に存じます。
さて、本大会のキャッチフレーズですが「心を紡ぐ 精密工学の知と技」と定め、“心”をテーマにしました。昨今の世界情勢に目を向ければ、罪なき多くの人々が紛争に巻き込まれて苦しんでいます。そこでは、科学・技術者の果たすべき責任について厳しく問われています。本来、科学技術は社会を豊かにし、人々が心身共に幸福になるためにあるはずです。そこで、“精密工学の知と技”で“平和を大切に思う心、誰かを大切に思う心、何かを大切にしたい心”を紡ぐ大会にしたいと思います。
平和と技術と人に思いを馳せるイベントとして、基調講演を用意しました。講師は大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)館長の戸高一成氏にお願いしています。「NHKアカデミア」や「海軍反省会」でご存知の方もいらっしゃると思います。いまを生きる私たち技術者の心に静かに、優しく響くお話が伺えると思います。
特別講演は本学分子生物学の豊田正嗣教授にお願いしています。植物にも感知・情報伝達機能があることを世界で初めて発見されました。害虫に葉をかじられると、植物自身がそれを周囲に知らせ、虫が嫌う匂いを発するよう促すそうです。植物にも心があるかのようなこの神秘的な振る舞いは、精密計測・観察技術を駆使して明らかになりました。サイエンスの最前線で活躍する精密工学のお話に心ときめく一時をお過ごしください。
全日開催の学術講演会では、知的好奇心を満たし、各種イベントでは気づきや心温まる交流が持てるよう準備をして参りました。二日目の懇親会は大学をとびだし、さいたま新都心の素敵なホテルで開催します。華やかでリラックスした雰囲気の中、浦和の鰻をはじめ美味しい料理とお酒を心ゆくまで堪能して頂きます。皆様の交流がいっそう活発となり心通わす温かな一時をお過ごし頂ければ幸いです。懇親会の続きは、是非多くのお店がある駅周辺や隣の大宮でお楽しみください。
最後に、この大会が皆様にとって、心に響く、心に染みる、心を打つ、心動かされる、心を寄せる、心に刻む、心通わす、心弾む、心ときめく、心躍る、心に残るものとなりますことを願いつつ、実行委員会一同、心残りのないよう最高のホスピタリティをもって運営に当たらせて頂きます。何卒、よろしくお願い申し上げます。
2026年度春季大会実行委員会 委員長 池野 順一
